結核の死亡率 感染患者が増加する「結核」高齢者は注意!

結核の死亡率

近年、集団感染など再興感染症として感染患者が増加する「結核」
過去の病気と思われていた結核が最近注目を浴びています。戦前は国民病といわれた結核も戦後は死亡率が激減。しかしその後90年代から横ばい状態で、97年には結核の新規発生者が38年ぶりに前年を上回る事態となりました。
特に学校や老人施設、医機機関などでの結核の集団感染、薬の効かない多剤耐性結核菌の出現など、医療現場でも大きな問題点となっています。厚生省でも99年7月「結核非常事宣言」を発表して国民に注意を呼びかけています。

結核の感染から発病まで

結核菌は細長い形をした細菌で、酸、アルカリ、アルコール、乾燥、寒冷に強く、高温や日光に弱いという性質を持っています。
感染者のせきやくしゃみで飛び散ったつばやたんの細かい粒の中の結核菌がまわりの人に吸い込まれて肺に入り、肺胞でマクロファージという異物を排除する細胞に取り込まれますが、死減せず増殖して他の細胞とともに特殊なかたまり(結核結節)をつくります。次に結核菌は肺の入り口にあるリンパ節に入りここでも病巣をつくります。

結核の治療は入院

軽症でも入院が効果的
結核の治療は入院しての薬物治療が主となります。現在では以前ほどの長期入院は必要なくなりましたが、たとえ軽症でも病院内の規則正しい生活習慣や栄養管理、適合薬の検査など、後々の健康管理のために有用なことが多いので入院をしたほうがいいでしょう。

結核の症状

結核の症状はせき、たん、全身の倦怠感、発熱などかぜによく似た症状からはじまります。その後たんに血が混じり、寝汗、体重少と徐々にからだが衰弱していきます。せきやたん、発熱(結核の場合38度程度の微熱が多いようです)、倦怠感などかぜの症状が2週間以上続いて改善が見られないときはまず結核の疑いがありますから、専門病院で検査を受けましょう。

結核予防会

結核予防会とは、診療所・病院が結核について専門的機能で診断し、関連する疾患の治療を行うとともに、途上国の結核対策に国際的に貢献することを目的にしています。世界中で死亡率原因上位とされていた結核を撲滅・予防するための募金手段として複十字シールが考案されました。結核菌は非常に生命力の強い菌です。患者は治療後数年でも再発する可能性も考えられますので、日常の健康管理を常に心がけておきましょう。

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