泌尿器科での治療・検査
過活動膀胱とは、overactive bladder=オーバーアクティブ膀胱ともいわれ、OABと呼ばれます。
過度に活発な活動をしてしまう膀胱、活発すぎる膀胱という意味で、切迫感を伴う排尿障害です。
このような状態では、熟睡できない、外出するのが不安、仕事や家事に集中できないなど、日常生活にも支障が出てきてしまいます。
精神的にも負担が大きくなってしまう前に、泌尿器科での適切な治療・検査を受けて症状を克服しましょう。
過活動膀胱の原因
排尿筋といわれる尿を『貯める』・『排出する』ことをコントロールしている筋肉が、なんらかの原因で自分の意思とは無関係に勝手に収縮してしまう機能異常と言われて、心因性のものと非心因性のもとに区別されます。
根本の原因究明はまだ難しい段階ですが、患者数が世界的に増えてきているために、治療薬の開発は進んでいます。
また、薬としての副作用などの安全性や治療効果が期待された「薬」について、実際に人体への使用においても安全性や効果が期待できるかどうかを調べてる『治験』を行っている医療機関も増えています。
過活動膀胱の検査
泌尿器科を受診すると、まず腎臓疾患や膀胱炎の有無を調べる尿検査、血液検査、結石などの原因を調べる腹部エコーなどの検査を行うのが一般的です。
これにより過活動膀胱が疑われるときは問診で『過活動膀胱症状質問票(OABSS)』という問診票により、症状をより詳しく分析することが多いです。
過活動膀胱に効く漢方薬
病院で処方される主な薬は、「デトルシトール」(酒石酸トルテロジン)、「ベシケア」、交感神経作用を増強させる「抗コリン薬」などがあります。
このような薬の中には、副作用があるために人によっては使用できないものもあります。
こうした薬に代わる方法として、漢方薬も期待されるようになってきました。
最近注目されているのが『牛車腎気丸』(ごしゃじんきがん)で、病院で処方されることも増えてきているようです。
また、八味地黄丸(はちみじおうがん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)なども、頻尿などの症状には有効のようです。
信頼ある漢方薬局で、オーダーメイドの漢方薬を処方してもらいましょう。
過活動膀胱ガイドライン
日本排尿機能学会では、「過活動膀胱診療ガイドライン」があり、診療の際の判定基準として推奨されています。
過活動膀胱ではなく、似た症状の病気には膀胱癌、膀胱炎、膀胱結石、前立腺癌などのがあり、命の危険もある病気もあるため診察の際には慎重に見極められています。