レイノー症状とは?
レイノー症状とは、寒いところなどで指が白または紫色になる症状のことです。人によっては腫れや黒色化、重度の方だと指の脱落などの可能性のある症状です。
レイノー症状は膠原病の方で起こりやすい
レイノー症状のある方を見たら、私たち膠原病内科医は何らかの膠原病の可能性を疑います。レイノー症状は膠原病を非常に合併しやすい症状といえます。
レイノー症状は主に強皮症、クレスト症候群、MCTD、多発性筋炎、皮膚筋炎などの膠原病で認められますが、これ以外にもあらゆる膠原病で合併する可能性があります。
レイノー症状をみたら
レイノー症状を認めたら、行うべきことが二つあります。
① どのタイプの膠原病か?を検査する
前述するように、レイノー症状はあらゆる膠原病の可能性を示唆する症状です。
レイノー症状以外にどのような症状があるか?
家族歴
既往歴
など様々な情報を聴取し、必要な検査を組み立て診断を行います。
② 臓器合併症のチェックをする。
レイノー症状を認めるものの、はっきりとした膠原病の診断に至らないケースも数多くあります。このようなケースでも、レイノー症状があればあらゆる臓器合併症を引き起こす可能性があります。
特に、肺と心臓はチェックする必要があります。
レイノー症状は間質性肺炎を合併しているケースが多くみられるからです。心臓に関しては、間質性肺炎ほどではありませんが「肺高血圧」という疾患を合併している可能性があります。
間質性肺炎
間質性肺炎とは、肺が線維化しスポンジのようになって硬くなってしまう疾患です。
詳しくは「関節リウマチと間質性肺炎」をご覧ください。
肺高血圧
肺高血圧とは右心室から肺動脈に向かう血液の流れが悪くなり、心臓に負担がかかってしまう疾患です。
合併することは稀ですが、発症すると突然死のリスクがあるなど非常に怖い疾患です。レイノー症状がある方は必ず一度は心臓超音波を行い、この肺高血圧がないかチェックをしてください。
レイノー症状の治療
レイノー症状そのものの治療は大きく分けて2種類あります。
① 血管を拡張する
プロスタグランジン製剤(オパルモンなど)やシルデナフィル(アドシルカなど)、カルシウム拮抗薬やボセンタン(トラクリア)などがこれにあたります。
② 血液をサラサラにする
バイアスピリンなど。しかし、レイノー症状を見た場合、この血液をサラサラにする治療より上記①の血管を拡張する治療を優先させます。また上記の一部には血液をサラサラにする効果も含まれています。
以上レイノー症状を見たらについて解説いたしました。
指先が寒いところで白くなったり紫になるという症状を認めたら、まずは膠原病内科にご相談することをお勧めいたします。