ヘルペス脳炎の原因
ヘルペス脳炎の原因となるものとして、単純ヘルペスと呼ばれるののうち1つの口唇ヘルペス(1型)が原因になることが多いです。
一般的な口唇ヘルペスウィルスが、重症のヘルペス脳炎を引き起こす原因は、いまのところよくわかっていないようです。
口唇ヘルペスからの(潜伏期間も含む)唾液などから感染、性器ヘルペスからの母子感染、性的感染する考えられます。するとウィルスが上気道へ感染し、その後嗅神経や三叉神経を伝わって血液に乗り脳を侵すと考えられています。
死亡率は30%と言われますが抗ウィルス薬ができ、10%以下と減少しました。
男女比ではやや男性の方が多く発症します。
ヘルペス脳炎の症状
ヘルペス脳炎の症状として、発熱、咽頭痛、全身倦怠感などの風邪に似た症状が続きます。このとき口唇ヘルペスの症状の口内炎や歯肉炎、水疱などの症状がない場合が多いことも風邪と間違いやすいのです。
その後、悪心、嘔吐などの髄膜刺激症状が発生し、けいれんや言語障害、錯乱、せん妄(もう)、幻視、異常行動などの神経症状が現れます。
ヘルペス脳炎の後遺症
ヘルペス脳炎の後遺症は、側頭葉壊死のため、聴力障害や言語障害などの重篤な症状が残ることがあります。
また、投薬治療後の回復期に健忘症、人格変化、てんかんなどが現れることがあります。約30?50%の社会復帰例がみられます。
ヘルペス脳炎の予防
発熱・髄膜刺激症状、聴力障害や意識障害、けいれん発作、幻覚、記憶障害などが現れたら、この病気が疑われます。
ヘルペスウイルスによる脳の破壊が進む前に抗ウイルス薬を投与することが大切です。
神経内科、内科、小児科などに緊急入院が必要とされています。
ヘルペス脳炎の治療
ヘルペス脳炎の治療として、髄液検査や脳波、CT・MRI所見、ウイルス学的検査などを行い診断します。
抗ウイルス薬を投与し、気道の確保、栄養の維持をし体温、脈拍、血圧、呼吸などを監視して救命します。
意識障害が強いとき、けいれんがあるときなどはさらに投薬が必要です。また脳圧降下薬などを使用することもあります。